カエルカレーは実在した 2

150年前にカエルカレーは存在しました。これが明治5年に発行された西洋料理指南の赤蛙カレーにつながっていきます。

 

このカエルカレー、やたらと評判がいいです。

 

1880年に出版されたRound the North Hemisphere by Ernest A. Browne(P344)

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”ところで、昨晩の素晴らしいディナーの最後を飾ったカエルカレー、名前はアレだが、本当に美味しかった”

 

カエルカレーはB級グルメではなく、正式なディナーの一品として出される料理だったようです。

 

1887年に出版されたThe Illustrated Naval and Military Magazine - Volume 6(P118)

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”夕食はカエルカレーだった。ダントツにおいしい”

 

1859年に出版されたTo China and Back: Being a Diary Kept, Out and Home by Albert Smith(P36)

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”カエルカレーを食べた。素晴らしい味だった”

 

1888年に出版されたOrient and Occident: A Journey East from Lahore to Liverpool by Reginald Colville William Mitford(P38)

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”夕食はカエルカレーだった。とびぬけたおいしさ”

 

さて、「中国」とか「旅」とか、本の題名からうすうすと感じていたかもしれませんが、このカエルカレーが出されていた場所は、イギリスといってもブリテン島ではなく、香港島=イギリス領香港の話です。

 

カエルカレーは、150年前のイギリス領香港の名物料理でした。

 

1883年に発行された中国語会話の指南書、Idiomatic Dialogues in the Peking Colloquial for the Use of Studentsには、例文にカエルカレーが出てきます。

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それほど、香港などの旅先でカエルカレーを注文する人が多かったのでしょう。

 

1869年発行のLeaves from My Log: A Naval Officers's Recollections of Personal Adventures by Cassell, Petter, and Galpin(P32)では、広東のおそらく黄埔Whampoa近くでカエルカレーを食べています。香港だけでなく、香港周辺にもカエルカレーが波及していたのかもしれません。

 

ご存知の通り香港は、アヘン戦争後の1842年にイギリス領となります。そこでイギリスのカレー文化と、中国のカエル食文化が融合して、香港名物カエルカレーが生まれたのでしょう。

 

そして1858年、日英修好通商条約が締結。開国した日本に、カエルカレー好きのイギリス商人がやってくることになります。明日に続きます。